第183章

その夜はまさに大騒ぎだった。みんな多少のケガは負ったものの、死人が出なかっただけでも不幸中の幸いと言うべきだろう。

 翌朝早く、安倍晴明と行川部長が大急ぎで駆けつけた。

 昨夜から気を揉みっぱなしだった神崎様の様子を確かめるため――のはずが。

 そこにいたのは、取り調べどころか優雅に朝食を堪能している神崎飛鳥だった。

 しかも独房は彼女専用。机の上には、湯気の立つ牛肉麺に豆乳、油条、酸辣粉。さらに青菜の炒め物や和え物まで、ずらりと一卓。待遇がいいなんてものじゃない。

 そして、もっと恐ろしい光景があった。

 神崎飛鳥の手には一本の縄。

 その先には、ちびっ子幽霊が二、三十体――...

ログインして続きを読む