第192章

神崎飛鳥は倉中も連れて、山探しの旅に出た。彼の手を引き、F市へ向かう。

倉中の話では、彼は幕山から逃げ出して以来、ひたすら南へ走り回り、いろんな土地を転々としてきたらしい。いま彼らが進んでいるのは、彼が辿ってきた道を逆に戻る形で、その先の方角にちょうどF市があるという。

とはいえ、街の姿は変わりやすい。昨日と今日で別物みたいになることだってある。けれど山並みはそうそう変わらない。よほどの天災か、人の手で大規模に壊されでもしない限り、どこかに昔の面影は残るものだ。

――問題は、神崎飛鳥がいま、まだ相当「見えない」ってことだ。

全体像を掴むのは正直きつい。だが、怖くはない。着いてからスマ...

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