第24章

桐生大地は、自分が助かったのだと悟った。だが危険が去ったわけじゃない。訳もわからず逃げていったあの誘拐犯どもが、いつ戻ってくるかも知れない。

それでも身体は限界だった。熱に浮かされた頭はますます重く沈み、感覚が戻るのを待っているうちに――不意に、意識が落ちた。

どれほど眠っていたのか。

ふいに夢の底から引きずり上げられるように、彼は跳ね起きた。

悔しさを噛みしめながら目を開ける。そこは、さっきまでいた家ではなかった。周囲は木々の影が幾重にも重なり、灰色の闇が押し寄せている。静けさの中、凍てつく風がびゅうびゅうと鳴る音だけがやけに鮮明だった。

――動いている。

木立が、ゆっくりと後...

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