第34章

桐生隆志は先に退院の手続きを済ませた。万が一にも退院を妨害されないよう、事務所側はさらに十数人のボディガードを呼び寄せ、厳重な警備態勢を敷く。準備が整うと、桐生大地を守るようにして、記者とファンの包囲網をかき分けながら病院を出た。

 その日のうちに「桐生大地、退院」のニュースはリアルタイムトレンドに浮上し、たちまち世間の話題をさらった。ファン界隈は一気に沸き立つ。

 「大地、もう退院なの? 大丈夫なの? 体、ちゃんと治ったの? もう少し入院して様子見たほうがいいのに!」

 「かわいそう……入院中なのに、悪質メディアとか私生ファンがどうにかして会おうとしてたんでしょ。看護師の服を盗んで潜...

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