第7章

ラーメン屋の仕事は、まかない付きで寮も用意されている。神崎飛鳥は、しばらく腰を据えて働いて、帰りの交通費くらいは貯められると思っていた。ところが三日目でクビ。おまけに、今はチラシ配りの口すらない。となると――食うことと寝ることが、いきなり死活問題になった。

 食べ物は、正直どうにでもなる。腹さえ満たせればいい。問題は住む場所だ。金を払って泊まるなんて、彼女にはどうしても惜しい。

 だから来たばかりのころは、川沿いにある未完成のまま放置されたビルにこっそり潜り込んで寝ていた。まず幕山がどこにあるのか聞き回り、無駄遣いを抑えて、さっさと帰りのバスに乗る――そのつもりだったのだ。

 家に帰れ...

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