第70章

神崎飛鳥は胸を躍らせながら何日も待った。だが、待てど暮らせど――桑の木には、いい知らせがひとつもぶら下がっていない。

夜、家へ戻るたびに見上げても、枝はがらんとしていて、葉っぱ一枚ない。以前そこに掛けておいたビニール袋も、どこへ飛んでいったのか影も形もなかった。

期待は、そのまま落胆に変わる。

「……幕山がどこにあるか、知ってる人が一人もいないってこと?」

赤い服の女の幽霊が、呆れたように白目をむいた。

「……あんた自身が幕山の場所を知らないんでしょ。最初から運任せなんだから、そんなに期待しないほうがいいわ」

「じゃあ、他所まで行ってチラシ貼らなきゃダメ? せっかく安定した仕事見...

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