第78章

 本田優と前川浩平はそろって呆然とし、しばらく言葉が出なかった。

 神崎飛鳥が問う。

「あなたたち、二人だけ?」

 本田優は口をぱくぱくさせ、ようやく我に返って叫んだ。

「占い師さん、占い師さん助けて! 佐藤直人が顔盗りに取り憑かれてる! 俺たちを殺そうとしてきたから、トイレに閉じ込めたんだ!」

 個室の内側から、ドン、ドン、と鈍い衝撃音が途切れない。神崎飛鳥は眉をひそめ、近づきながら言った。

「どいて。私が見る」

 本田優は「気をつけて、気をつけて」と何度も念を押し、ようやく手を離して横へ飛び退いた。

 その瞬間、神崎飛鳥がトイレの扉を一息に押し開ける。

 そこに立ってい...

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