第79章

神崎飛鳥がコックピットの外へ出たところで、ちょうど中年の男がこちらへ歩み出てきた。見覚えのある制服。胸元のネームプレートまで、彼女ははっきり覚えている。

細川大介――機長の名だ。

けれど、今の彼は、彼女が先ほど見た「細川大介」とは別物だった。顔には一枚の人皮が貼りついている。あの顔盗りどもが雑に被せる、歪んでズレた代物とは違う。作りが妙に精巧で、少なくとも鼻は鼻、目は目として収まっている。

神崎飛鳥は鼻をひくりと鳴らした。

……いい匂い。

「細川大介」は紳士ぶった笑みを浮かべる。

「お嬢さん。何かお力になれることは?」

彼は、赤い紐で縛られた六つの黒まるに視線を落とした。次の瞬...

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