第84章

本田優は翌朝いちばんの便でB市へ飛ぶ航空券を買った。その話を聞いた前川浩平は、親指を立てて言う。

「すげぇな」

本田優だって飛行機なんて乗りたくはない。だが仕方がなかった。きちんと計算したのだ。新幹線で行けばB市に着くのは夜になり、その時間では人形島行きの船がもう出ていない。遅れたら、友だちは本当に助からないかもしれない。だからもう一度、朝イチの便を取り直した。

神崎飛鳥にとって移動手段なんてどうでもよかった。どう行こうが何も変わらない。ただ一つ、頭を悩ませるのは――この200万円の小切手をどうするか、だ。

昨夜も寝る前に散々迷った。どこに置いても不安で、結局、枕元に置いて手で触れな...

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