第88章

長髪の女が、薄汚れた布人形を提げて村に入ってきた――そんな噂はあっという間に広まった。

隣の宿で手がかりゼロのまま休んでいた除霊師たちまで、ぞろぞろ様子を見に来る。とくに、女が片手で人形をぶら下げ、もう片方の手で「何か」をつまんでいるのが見えた瞬間、彼らの顔色が一斉に微妙になった。

それが、手首から先だけの「手」だと気づいたからだ。

「その人形、かなりヤバい。悪いことは言わない、外に捨てておけ。家に持ち込んだら、ろくでもないモノまで連れてくるぞ」

「そうそう。あなたの身のためだ。そういうのには触らないほうがいい」

「島のこと、まだ何も分かってないんだ。そんな物を軽々しく持ち帰ったら...

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