第105章

エンジンの唸りが鼓膜を叩いた。

闇と揺れの中、私は身体を小さく丸め、窓の外を裂くように駆け抜ける風の音を聞きながら、絶望のまま目を閉じた。

六条修介、ごめんなさい。

この勝負は、最初から――私たちの手を離れていたのかもしれない。

トランクの中でどれほど揺られたのか分からない。濃いガソリンの臭いに頭がくらみ、意識が落ちかけたそのとき、車がようやく止まった。

次の瞬間、私は麻袋みたいに引きずり出され、乱暴に冷たい椅子へ押しつけられる。

頭を覆う布の内側は真っ暗で、息だけがやけに生々しい。ひとりじゃない。重く、押し殺した呼吸がいくつも、見えない網のように私を包んでいた。

ぐいっと頭巾...

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