第118章

あの視線が、たまらなく気持ち悪かった。まるで冷たい蛇に全身を絡め取られたみたいに。

反射的に拳を握り締める。爪が掌に食い込んだ。

「こいつか?」

男の声はしゃがれていて、どこか投げやりな怠さを含んでいた。

アンナが小さく頷く。

「急いで。落合睦生、いつ戻ってくるか分からない」

男は私をそれ以上見ようともせず、背後の棚から畳まれた白い給仕服をひっ掴むと、野球帽とぺたんこの布靴までまとめて、私の腕の中へ放り投げた。

「着替えろ」

顎で隅の、半分だけ開いた物置部屋の扉を示す。

「前で俺の連中が騒ぎを起こす。場が荒れたら、裏の厨房から搬入用の通路を抜ける。車はB区の地下駐車場、三本...

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