第44章

まるで、とんでもない冗談でも聞かされた気分だった。

この男は、本気でそう思っているのか。私があれほど必死になって、命すら落としかけたのは――冷たい数字や資産のためだと?

「落合睦生……あんた、頭がおかしいんじゃないの?」

声が、自分でも驚くほど低く冷たかった。

「私がそんなものを気にするとでも? それとも、玉子の将来を盾にすれば、私があなたのために泣きついて助命嘆願するとでも思った?」

「俺だって好きでやってるわけじゃない!」

落合睦生が突然、感情を爆発させた。反響するほど張り上げた声が、がらんとした教会の中を跳ね回る。

「六条修介は落合家を殺しに来てる! 『懲らしめる』じゃな...

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