第46章
私はその足で、六条莉々が働くオフィスへ向かった。
予約は入れていない。受付に止められかけたが、私はそれだけ告げた。
「六条お嬢さんにお伝えください。キングスレー事件の松崎弁護士がお目にかかりたいと。欧州からの委任の件です」
数分後、六条莉々の秘書が丁寧に案内してくれた。
応接室を抜けた先の執務室は、本人そのものみたいだった。緻密で、高価で、隙がない。そしてどこか、触れれば指を切りそうな冷たさ。
六条莉々は大きなデスクの向こうに座り、仕立てのいいシャネルのスーツに身を包んでいた。メイクは完璧で、欠けたところがひとつもない。
私を見るなり、驚いた様子は微塵もない。むしろ上品に手を上げ...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 1
2. 2
3. 3
4. 4
5. 5
6. 6
7. 7
8. 8
9. 9
10. 10
11. 11
12. 12
13. 13
14. 14
15. 15
16. 16
17. 17
18. 18
19. 19
20. 20
21. 21
22. 22
23. 23
24. 24
25. 25
26. 26
27. 27
28. 28
29. 29
30. 30
31. 31
32. 32
33. 33
34. 34
35. 35
36. 36
37. 37
38. 38
39. 39
40. 40
41. 41
42. 42
43. 第43章
44. 第44章
45. 第45章
46. 第46章
47. 第47章
48. 第48章
49. 第49章
50. 第50章
51. 第51章
52. 第52章
53. 第53章
54. 第54章
55. 第55章
56. 第56章
57. 第57章
58. 第58章
59. 第59章
60. 第60章
縮小
拡大
