第56章

私の指先がキーボードの上を疾走する。全事業の利益率とリスク係数を並べ、ひと目で分かる比較チャートへ落とし込んだ。

崖から突き落とされたみたいに落ち込む利益曲線を見つめた瞬間、ひとつの考えが頭の中で爆ぜた。

六条修介のやり方は、甘い。

狼を相手にするなら、口にくわえた肉を奪うだけじゃ足りない。

その肉が毒だと、喰えば死ぬと、骨の髄まで思い知らせなきゃいけない。

私が欲しいのは、彼の代わりに果てしない訴訟を戦い続けることじゃない。

設計すべきは方案だ。違法ビジネスを、最短で「金のなる木」から、血を流し続けて相手を引きずり込む巨大な財務ブラックホールへ変える方案。

――ビジネス上の「...

ログインして続きを読む