第61章

六条家の裏で回っている灰色の稼業――そのどれにも、記載はぴたりと符合していた。帳簿の入出金から取引の細部まで、そして数本の資金の流れは、ここ数日私がプロジェクトチームで、鈴木征夫たちを叩く突破口として練っていた急所そのもの。

発信者は、私が何をしているのかを手に取るように知っている。

胸の底が、じわりじわりと沈んでいく。マウスホイールを下へ滑らせた。

そして――独立したフォルダが目に入る。名前は「核心」。

開いた瞬間、血が凍った。

そこには送金記録が数点。桁違いの金が、秘匿されたオフショア口座から、教授が口にした南米の「プライベート・アイランド」に紐づく関連会社へ流れ込んでいる。数...

ログインして続きを読む