第63章

自分のマンションに戻って三日目。嵐は約束どおりやって来た。

電話が鳴ったとき、私は地域医療のライセンス買収に関する書類に目を通していた。

画面に表示されたのは、プロジェクトチームの若い責任者の名。通話ボタンを押した瞬間、向こうから飛び込んできたのは騒然とした雑音と、必死に押し殺した嗚咽だった。

「松崎弁護士! 大変です! 城西の物流センターが火事で……!」

胸の奥がずしりと沈む。スマホを握る指に、思わず力が入った。

城西物流センター。私の転換プランで最初に形にした案件だ。鈴木征夫の勢力下にあった半ば廃墟同然の倉庫を、全自動仕分けシステムを備えたハイエンドの中継拠点へ作り替えた。

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