第68章

松崎莉緒POV

車から降りてきたのは、背の高い男たちが数人。揃いも揃って黒いスーツ、表情は薄い。けれど骨の髄から滲むような獰猛さだけは、頼りない月明かりの下でもはっきり見て取れた。

鈴木征夫の手下みたいに、路地裏で揉まれてきたチンピラじゃない。もっと――訓練を受けた、職業の殺し屋に近い。

心臓が喉までせり上がる。息を殺し、そっとスマホを持ち上げてレンズを向けた。

鈴木征夫が、先頭の男へ恭しく書類袋を差し出す。

男は受け取らない。ただ、わずかに顎を傾けた。風に乗って、途切れ途切れの会話が届く。声は低く、ところどころ私には分からないスペイン語が混じっていた。

「……六条家の件、どうな...

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