第71章

落合睦生POV

葉巻の煙が指先にまとわりつき、個室のけばけばしい照明を、いっそう曖昧にかき混ぜる。

俺は柔らかな革張りのソファに沈み込み、ダンスフロアでうねる身体を退屈そうに眺めていた。グラスのウイスキーは、もう底が見えている。

鈴木征夫が入ってきたのは、そのときだ。裏口から、俺の連中に連れ込まれた。

みっともないほど惨めだった。普段の、作り物の威厳なんて跡形もない。白髪交じりの髪は乱れ、高そうなスーツには郊外の埃がこびりついている。泥水から引き上げられた負け犬――そんな言葉がぴったりだ。

「落合若様」

俺を見た途端、媚びた笑みを貼りつける。皺だらけの老いぼれ面が、心底うざったい...

ログインして続きを読む