第86章

落合睦生のカウントは止まらない。なのに、その目つきだけがますます陰り、獣じみていった。

「私を助ける気があるなら、こんなに引っ張るわけないでしょ」

私は言葉で彼を煽りながら、同時に自分自身にも言い聞かせていた。

「私を殺せば、ちょうど彼の思うつぼ。あの人は何の負担もなく、ここから出ていける」

「黙れ!」

落合睦生が低く唸る。銃を握る手に力が籠もり、指の関節が青白く浮いた。

私は口を閉じた。けれど心臓は喉元までせり上がり、息がうまく吸えない。

六条修介――出てこないで。お願いだから、出てこないで。

これは罠だ。姿を見せた瞬間、もう二度と、逃げ道なんて残らない。

「七、六……五...

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