第6章
佐藤視点
賢吉は大股で鉄の檻へと突進した。その瞳には、怒りの炎が宿っている。
「開けろ!」彼は司会者に向かって怒鳴りつけた。
「今すぐ開けろと言っているんだ!」
金の仮面をつけた司会者は、その場に立ち尽くしたまま微動だにしない。
ステージの下にいる連中も、ただ冷淡な視線を向けているだけだ。まるで一編の茶番劇でも眺めるかのように。
「開けろと言っている!」
賢吉は檻の鉄格子を鷲掴みにした。力が入りすぎているせいで、指の関節が白く浮き上がっている。
「俺が誰だか分かっているのか? 俺の姉貴は黒木家の当主だぞ! よくも俺の身内にこんな真似を――」
彼は周囲を見回し、怒り...
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