第8章

エヴリン視点

 グレイソンは書斎に閉じこもった。

 三日三晩。

 部下たちが扉の外で警護していたが、誰一人としてノックする勇気を持たなかった。

 三日目、ようやく扉が開いた。

 姿を現した彼はひと回り痩せこけており、両目は充血して血走っていた。服には血がこびりついており、両手は無数の傷だらけだった。

「ボス、何か――」

「結婚式の準備をしろ」彼は部下の言葉を遮った。「明日だ。プライベートチャペルでな。神父だけでいい」

 部下は唖然とした。「しかし……」

「言われた通りにしろ」

 彼は階段を降りていく。

 リビングにはナタリーの私物が山のように積まれていた。服、ジュエリー...

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