第8章

怜奈視点

 彼は驚くほど痩せていた。無精髭が伸び放題で、眼窩はくぼみ、着ているシャツもしわだらけだ。しかし、私を見つけた瞬間、その瞳に光が宿った。

「怜奈!」

 彼は早足で近づいてくる。私は足を止め、冷ややかな視線を彼に向けた。

「どうしてここが分かったの?」

「俺は……」

 琉生の声は枯れていた。

「ずっと君たちを探していたんだ。怜奈、頼む。話がしたい」

「あなたと話すことなんて、もう何もないわ」

 私は怜央の手を引き、その場を立ち去ろうとする。だが、琉生が立ちはだかった。

「頼む! 怜央に会わせてくれ」

 私は鼻で笑った。

「今さら息子がいることを思い出したの?」...

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