第7章

 篠原悠二を病室に放り込むと、私はベッドの縁に座り、問い詰めた。

「金目当てじゃないなら、一体何が目的なの? 篠原社長」

 篠原悠二は立ち尽くしたまま私を見つめ、次第に目元を赤くしていった。

「湊、後悔してるんだ……離婚したこと、後悔してる。頼むから、そんなこと言わないでくれ。俺を怖がらせないでくれよ」

 彼は手を伸ばし、私の小指に触れようとした。

 またその顔だ。

 十八歳の頃、何かやらかすと決まってこの無垢で情けない顔をして、甘えた声で許しを請うた。

「その芸風、もうやめたら?」

 私は身をよじって彼の手を避けた。

「今のあんた、すごく無様よ。吐き気がする」

 篠原悠...

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