第9章
転んで顔をぶつけ、ひどい有様になってしまった。
私を見つけた林田朝香は、烈火のごとく怒り狂った。
丸二日間、彼女は私を怒鳴り続けた。「なぜ自分を大切にしないのか」「なぜ私が戻るのを待てなかったのか」と。
叱られて涙が出てきた私は、布団の中に潜り込み、小さな声で文句を言った。
「あんたってば口うるさすぎ。私をいじめてばかりじゃない」
「……そんなに言うなら、お母さんのところに連れて行ってよ」
林田朝香は言葉を詰まらせた。
ベッドの端に腰を下ろすと、彼女は私の頭を撫で、急に優しくなった声で言った。
「体が良くなったら、お母さんに会いに行こう。ね?」
もう二度と良く...
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