第7章

アリア視点

 深夜、窓を叩く音で目が覚めた。

 格子窓から月光が差し込み、自分のかすかな息づかいだけがやけに大きく聞こえる。ハリソンは、私がもってあと三日だと言った。

 黒い影が窓から転がり込んできて、床に鈍い音を立てる。

 カエルだった。

 みっともなく這い起き、ベッドの上の私を見た瞬間、全身が凍りついたように固まる。

「……なんて……」震える声。「アリア……どうして……」

 私は黙って彼を見返した。表情ひとつ動かさない。

 二週間の苦痛で私は骨と皮になり、顔色は紙みたいに白い。血蝕病が体を食い荒らし、肌には黒い血の筋が浮かんでいた。死の刻印。

「何しに来たの」声だけが不...

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