109

第二十二章 - 渇望

彼のキスは優しく、同時に力強かった。初めてのキスに、ちゃんとできているのか不安で一瞬体が強張る。彼に膝に乗せられたまま、その体から脈打つ支配的な強さを感じた。私を求める欲望は、彼の瞳と、唇の奪い方にありありと表れていた。

もう一度口づけようと身を乗り出すと、彼は素早い動きで私をくるりと回し、向かい合わせにした。私は彼の膝に跨り、足を開いた状態で彼の瞳を見つめる。手を彼の頬に添え、その見事な顔立ちに見惚れた。暖炉の炎に照らされたその顔。彫刻のように整った顔立ちは、強くてセクシーな「アルファ」のオーラを放っている。至近距離で見つめると息が止まりそうになり、体中を熱が駆け巡...

ログインして続きを読む