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第三十四章 - 時間

ルーカス視点

「頼む、月の女神よ。俺を代わりに連れて行ってくれ。俺が彼女に相応しくないのは分かっている。だが、もし俺の祈りが届くなら、今こそ聞いてほしい。どうか彼女を無事で……頼む」俺は祈った。もう三日間、祈り続けている。

エドワーズ医師は、負傷した狼たちの手当てをするために、俺たちと共にサファイア・ムーンへ来ていた。不運なことに、重傷を負ったのはシビルだけだった。あの野郎が彼女の頭を割りやがったせいで、俺は彼女を失うところだったのだ。シビルはひどく衰弱し、大量の血を失っていた。彼女は一度も狼に変化したことがないため、治癒が遅い。父さんがサファイア・ムーンから調達し...

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