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第三十五章 満月

今のところ、とても気分のいい朝を迎えている。ルーカスが朝食を作ってくれて、私はそれを吐かずに胃に収めることができた。頭の調子はそこまで万全とは言えないけれど。脳震盪の影響でまだ重く感じるし、急に動かすと目眩がする。それでも、全体的にはかなり調子がいい。昨日、エドワーズ医師が抜糸をしてくれたおかげで、ようやく髪を洗うことができた。まあ、実際にはルーカスが私のために洗ってくれたのだけれど。

彼は昨日マグナスと話し、マグナスはもう一度転送の呪文薬を調合することに同意してくれたそうだ。それには二十四時間かかるという。ルーカスは今夜の満月に合わせてその薬を飲むつもりでいる。ストーム...

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