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第三十三章 ― 二重の驚き

この男には本当に参ってしまう!

情熱が最高潮に達しようという真っ只中で、ディーゼルは私を焦らすように動きを止めたのだ。彼はお腹に頭を乗せたまま、ピクリとも動かず、音も立てない。一体何をしているの? 私の上で昼寝でもするつもり?

その時、内なる狼のリアが身じろぎしたかと思うと、突然喜びの遠吠えを上げ始めた。私はディーゼルを見下ろした。彼は、溢れんばかりの感情を込めて私を見上げていた。「君の世界を揺るがしてやる」といった種類の目じゃない。そうではなく、「愛しくてたまらない」と語る瞳だった。

「ねえ、何か俺に言いたいことはないか?」と彼が尋ねた。

彼が何を聞きた...

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