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第36章 ― 儀式

ディーゼル視点

彼女は息をのむほど美しかった! 俺だけの女神、そしてルナ。デュークは俺の頭の中で、自身の番(つがい)に対する誇りと崇拝の念を込め、高らかに遠吠えを上げていた。自分がどうしてこれほどの幸運に恵まれたのか、彼女にふさわしい男になるために前世で一体どんな徳を積んだのか見当もつかない。クラウディアが音楽を奏で始めると、誰もが通路を歩いてくる彼女たちに視線を向けた。親父は満面の笑みを浮かべている。あんなに嬉しそうな親父を見るのはいつぶりだろうか。彼は孫ができるのが待ちきれないのだ。ルーシーはこの群れにとって完璧な新たな家族であり、素晴らしいルナになるだろう。

そ...

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