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第四十章 ―― コード・レッド

デュークと私は、レンジャーを私の背に乗せたまま山を下った。満月の光は煌々と輝き、まるで何千もの狼がこちらへ押し寄せてくるのが見えた。その先頭に立つのは、青い瞳をした巨大な黒いアルファ狼。すぐにアルファ・ノックスの狼、クルーズだと分かった。他の狼たちは足を止め、多くが初めてリアを目にして、敬意を表すように頭を垂れた。クルーズはデュークに歩み寄って頷くと、私の方を向き、鼻を鳴らして匂いを嗅いだ。

『レンジャーに何があった? 今までどこにいたんだ?』彼はマインドリンクを通じて私たちに問いかけた。

私がデュークを見ると、彼の瞳の色が変わった。彼の「アルファ・ヴォイ...

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