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第一章 旅立ち

「レイブン、急いで。お客さんが来始めたわよ」

母さんが念話(リンク)を送ってきた。

「すぐ行くわ、ママ」私も念話で返す。

従姉妹のクレアと私は、私の卒業パーティーの準備をしていた。私は高校を首席で卒業し、両親はそれをとても誇りに思ってくれていた。父さんは、もしクラスで一番の成績で卒業したら、私の好きな大学に行っていいと約束してくれたのだ。私はこの家を出ていくのが待ちきれなかった。遠ければ遠いほどいい。

「彼、あの女を連れてくると思う?」クレアが尋ねた。

「もちろん連れてくるわよ。彼女は『運命の番(つがい)』なんだから」

二人が一緒にいるところを見るのが憂鬱だったけ...

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