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第二十三章 ― 絆

ディミトリ視点

あいつが「アドニス」に足を踏み入れたなんて信じられなかった。そこはスウィンガーたちが集まる、ライブ・セックスショーのための劇場だ。彼女が四つん這いになり、まるで覗き魔のようにショーを見つめている姿を目にした瞬間、俺は内なる狼――ドムを必死で抑え込まなければならなかった。ドムはその場で彼女に覆いかかり、支配し、所有したがったからだ。

彼女はその美しさと同じくらい頑固だ。俺よりもずっと若く、時には愚かで衝動的な決断を下すこともあるのだと、自分に言い聞かせ続けなければならなかった。もしあの野郎どもがあいつに手を出していたら、俺は何をしてしまったか分からない。

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