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第七章 ― 弱さ

目を開けると、私は一人だった。彼が私を置き去りにした、まさにその床の上にいた。変化した時に茂みに隠しておいた服が、暖炉の前の椅子に置かれていた。シャワーを浴びて、体に染みついた彼の匂いを洗い流したくてたまらなかったが、彼のシャワーを使う勇気など到底なかった。ここから逃げ出さなければ。

私はできるだけ急いで服を着ると、レンジャーが戻ってくる前に小屋を出た。小屋は群れの敷地内の湖畔にあり、パックハウスまでは3マイル(約5キロ)ほどの道のりだった。私は来た道を歩き始めた。

一人きりで思考に耽りながら、なぜ月の女神は私を呪ったのかと思いを巡らせた。「番(つがい)」とは魂の片割れ...

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