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第三十章 —— 両親

夜空が白み始め、日の出が近いことを告げていた。私たちは一晩のほとんどを、この小さな砂浜で純粋な至福の中に浸って過ごしたのだ。

ディミトリは目を閉じて横たわっていたが、眠ってはいないようだった。彼は毛布の下で私をしっかりと胸に抱き寄せていた。彼の心臓の鼓動が伝わってきて、それが私の心臓のリズムと同期しているように感じられた。彼の匂いを深く吸い込むと、その香りは変化していた。私たち二人の香りが変わり、そして混ざり合っていたのだ。

「気分はどうだ、俺の小鳥?」彼の声は低くしわがれていた。

「最高に満たされてるけど、くたくたよ」私はくすくすと笑った。

「日の出とともに、...

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