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第三十五章 患者

「あいつが妹に何か手出しをしてるなら、こうしてただ寝ているわけにはいかない。彼女を見つけなきゃ。俺自身で彼を殺してやる」ディミトリは唸り声を上げ、立ち上がろうとした。

「彼女はもう、俺たちの妹でもあるんだ。お前が治らなきゃ、誰の役にも立てないぞ」ノックスが答えた。

「ディミトリ、お願い」私はつがいである彼をなだめようとした。「彼女は彼のメイトよ。彼が彼女を傷つけるはずないわ」

「どちらかが拒絶しない限りはな。もしそうなれば、あいつはやりかねない」ディミトリは言った。

「彼もそこまで愚かじゃないはずよ。彼女があなたの妹だと知っているし、あなたを敵に回したくはないはずだ...

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