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第三章 - 拒絶

ルーカス視点

「ルーカス、あなたもう三十一歳なのよ。若くはないんだから、運命の相手を探し続けなきゃだめじゃない」母は私を急き立てた。

「その通りだ、俺は三十一だ。いつになったら『月の女神』が俺を呪っているという事実を受け入れるんだ? 俺のつがいはたぶん死んでる。存在しない誰かを待って、さらに十年を無駄にする気はない」俺はきっぱりと言い返した。

「でも、予言が――」

「予言は俺のものじゃない。おとぎ話を追いかけて、たった一度の人生を棒に振るつもりはない」俺は母の言葉を遮った。

両親や祖父母が馬鹿げた予言についてあれこれ推測を巡らせるのを聞くのは、もううんざりだった。確...

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