第7章

 休暇に、久しぶりに実家へ帰った。何年もコツコツ貯めたお金で、ようやく街の中心部に、両親のための広いマンションを買ってやれたのだ。

 引っ越し当日は、よく晴れていた。

 母が物置から段ボール箱をずるずると引きずり出して言う。

「紗季、ここにあんたの調理学校のころの物がまだ残ってたわよ。ほら、あの子――和人ね。小さいころ仲よかったでしょう。あの子にもらった物も、たしかこの中に入ってるはず」

 私はしゃがみ込み、箱の中をかき分けた。

 くたびれたリング式のファイル。調理学校時代に書き溜めたレシピノートが挟まっていて、どのページもびっしり文字で埋まっている。

 それから、ステンレス製の...

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