第4章
昨晩の修羅場の整理もつかないまま、私はリビングに座り込んでいた。すると、キッチンからお母さんが飛び出してきた。私が何より恐れていた、あの興奮に満ちた輝きを顔に浮かべて。
「遥! ねえ、聞いて!」
手には洗いたてのワイングラスを持ち、今にも踊り出しそうな喜びようだ。
「今朝、京介君に電話して、今夜の夕食に招待したのよ。二人の婚約を正式にお祝いしなくちゃね!」
全身の血が凍りついた。昨夜の出来事、私が知ってしまった真実……それらを経てなお京介がここに来る意味は一つしかない。彼は私をさらに傷つけるつもりなのだ。
「お母さん、やめて。京介と私は――」
「何言ってるの! 七年も付き合...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
縮小
拡大
