第5章

すっかり冷めきったコーヒーを前に、私は院内のカフェテリアで誠治を待っていた。

集中治療室の前で三日間、ろくに眠りもせずに過ごした。母の容体はようやく安定したが、母にこれほどの苦しみを与えたことへの「ツケ」は、きっちりと払わせなければならない。

だからこそ、ここで誠治と会うことにしたのだ。

誠治が姿を現すと、私ははっと意識を取り戻した。彼は想像していたよりも若く、おそらく三十五歳前後だろう。隙のない仕立てのスーツを身に纏っている。

「石川さん」彼は席に着くなり、単刀直入に切り出した。「私たちには共通の敵がいます」

私はコーヒーカップを置いた。「松岡京介のことですね」

「三...

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