第7章

県庁の会議室で、私は手元の企画書を整え、入札プレゼンの準備を進めていた。この政府主催の大規模イベント企画契約は三億円以上の価値があり、C市市場における我が社の地位を確立するには十分すぎる案件だ。

「石川さん、誠に申し訳ありません」

県の調達担当である佐藤さんが、気まずそうな顔で入ってきた。

「本日の会議は中止せざるを得なくなりました」

私は動揺を見せず、顔を上げた。

「理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「貴社が不正競争に関与しているという匿名の通報があったのです。調査が完了するまで、本件の審査を続けることはできません」

匿名の通報か。私は心の中で冷笑した。間違い...

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