第2章
私たちは十字架の前、ビロードのクッションに膝をついていた。
ソフィアの手の震えが止まらない。私はその手を強く握りしめ、視線を床へ落とした。
「愛しい妻よ」アリスターの声が、人気のない長椅子の列をゆるやかに洗っていく。「娘を家へ連れ戻した。屋敷はようやく完全になった」
私は唇を細く結んだ。頭の奥に、奇妙な違和感が刺さって離れない。彼は私たちの幼少期について、ひとつも質問しなかった。遺伝子鑑定すらしなかった。
たった一晩で、彼は二人のメイドを要塞のような自分の城へ連れ込み、「家族だ」と宣言したのだ。
筋が通らない。
膝の下の床板を、激しい衝撃が震わせた。
何か――いや、誰かが?――鉄に叩きつけられたような音。骨が金属に当たった、そんな感じがした。
ソフィアが息を詰めた。顎が外れそうに開き、喉の奥で悲鳴が膨れ上がる。
私は即座に、肘を彼女の脇腹へ叩き込んだ。
彼女は辛うじて悲鳴を飲み込み、それを引きつった低い喘ぎへと変えた。
「旦那様」ソフィアの声がわずかに震える。「わ……私、少しお腹が空いてしまって。何か食べに行ってもよろしいでしょうか?」
アリスターは十字架から顔を背けた。
その目が私たちの上を引きずるように滑り、表情のひびを探る。腹を押さえて飢えたふりをする少女しか見つからなかったのだろう、視線がやわらいだ。
「かわいそうに」彼は小さく呟く。「ダイニングルームへ行きなさい。私はここに残り、彼女の魂と少し二人きりで過ごす」
ソフィアはほとんど私を引きずるように立たせた。私たちは礼拝堂の扉を出る。主回廊に出た瞬間、ソフィアはすれ違ったメイドに向かって、腹痛がひどいと大げさに文句を言い始めた。
私は彼女の腕を放し、音を立てずに一歩下がり、ステンドグラスのある壁龕の重いビロードのカーテンの陰へ滑り込んだ。
彼女とメイドが廊下の奥へ消えると、私は息を殺して待った。
礼拝堂の扉の隙間から見えたアリスターは、祈りの姿勢など取っていなかった。彼は十字架の前をまっすぐ通り過ぎ、石の祭壇に仕込まれた隠し留め金を押した。祭壇は音もなく左へ滑り、錆びた鉄扉へ続く細い石段が現れる。
彼は重い扉を引き開け、中へ入っていった。
私はカーテンの陰から這い出し、靴下だけの足で石のタイルを一切鳴らさずに進む。細い階段を降り、錆びた枠のところまで来た。小さな換気の隙間から、甘ったるい花の香水と漂白剤の原液が混ざり合った、濃く胸の悪くなるような臭気の波が顔面にぶつかった。
暗闇にしゃがみ込み、錆びた蝶番の近くへ耳を寄せる。
「なぜ私に逆らう?」アリスターの声が下から漂ってくる。そこに悲嘆はない――喪失の痛みもない。「見ろ、お前がしたことを。自分の皮膚を裂いた。手首をまた血で濡らした。満足か?」
胃が底へ落ちた。
下に生きている人間がいる。祭壇の下に、閉じ込められて。
鎖のがちゃがちゃという音。肉が肉を叩く湿った音。彼の荒い息づかい。彼女の喉に詰まった、くぐもった嗚咽。
吐き気が喉を焼いた。私は両手で口を覆い、全身を激しく震わせる。神様、神様。
彼はおぞましい玩具を飼っている。礼拝堂の真下で。
「そこにいるのは誰だ?」アリスターの声が、刃物みたいに静かになった。
次いで、重い足音が鉄扉へ向かって近づいてくるのが聞こえた。
心臓が止まった。見つかったら――聞いていたと知られたら――
次は私だ。
私は身を翻し、駆け出した。
階段を必死に駆け上がり、礼拝堂から滑り出ると、肺が焼けるまで廊下を全力で走った。
ダイニングルームへ飛び込み、テーブルの椅子に身体を投げ出す。手の震えがひどすぎて、木の縁を掴まなければ落ち着かせられなかった。
ソフィアがすぐに私の上へ身を寄せてくる。
「誰だったの?」彼女は切羽詰まった声で囁いた。
私は温かいパンをひと切れ掴み、半分に裂いて彼女の手に押しつけた。「食べて」
「アビゲイル!」
「何も見てない。空っぽよ」
ソフィアは裏切られたみたいに目を見開いて私を見つめた。「嘘。私はあの部屋のせいで死んだのよ! あなた、何か知ってる」
私は彼女の手首を掴み、顔をぐっと引き寄せた。「明日、あいつが屋敷を出たら、私はあの部屋に侵入する」囁く言葉は灰の味がした。「あなたは私の見張りをして」
ソフィアは激しく首を振り、手を引き抜こうとする。
私の握力が増し、爪が彼女の皮膚に食い込んだ。
「いい? あいつが下に隠してる何かが、用が済んだあと私たちを殺す理由よ。あいつの本当の狙いを突き止めないと、次は前よりずっと酷い死に方をする。わかる?」
ソフィアは私の目を見つめ返した。そこに映る絶対的な死の確信を見たのだろう。肩が崩れ、小さく、小さく頷いた。
私は彼女の手首を放し、ミディアムレアのステーキを大きく切り分けた。
私は肉を機械的に噛み、暴走する心拍を無理やり平常へ押し戻す。
さらに数口、どうにか飲み込んだ。二十分ほど経った頃、向かいの椅子がぎいと引かれる音がした。
顔を上げる。
アリスターが腰を下ろした。スーツは脱ぎ、真新しいリネンのシャツに着替えている。髪がわずかに湿っていた。上質な香水の匂いが、やけに強く鼻を刺す。
彼は銀のフォークを手に取り、温かな笑みを私たちへ向けた。
「食事はどうだい、娘たち?」
