第3章

アリスターはワインを注いだ。水晶のように澄んだグラスの脚を握る指先は軽く、いかにも気負いがない。

だが、拳はひどかった。真新しい三日月形の裂傷が四本、皮膚を深く抉っており、めくれた傷口から生々しく血を滲ませている。

ローストした子羊の匂いが、不意に吐き気を呼び起こした。私はじゃがいもをひと口、無理やり喉の奥へ流し込む。「素晴らしいです、旦那様。ありがとうございます」

彼はひと口すすり、グラスの縁越しにこちらを眺めた。

「信託基金の弁護士が、明日の朝、公証人のところへ来る。認可テストには、どちらか一人が私に同行しなければならない」

その視線はソフィアを完全に素通りし、私に突き刺さる。

テーブルの下で、ソフィアの膝が私の膝にこつんと当たった。計算は同じだった。街に出れば人目がある。監視カメラもある。チャンスがある。残れば、地下室だ。

「私を行かせてください、旦那様」ソフィアが思わず口走った。手は震えているのに、声だけは明るく、いかにも熱心そうに作っている。「私、テストを受けたいです」

アリスターの顎がぴくりと跳ねた。だが次の瞬間には、温和で慈愛に満ちた父親のような笑みが戻っていた。「よろしい、ソフィア。休んでおけ」

深夜。安物の使い捨て携帯が二台、私たちのマットレスの上に置かれていた。

私は糸を噛み切り、最後の結び目をソフィアの肌着の厚い裏地にきつく押し当てて締める。携帯は縫い目の奥深くに隠れた。

「位置情報は追跡できてる」私は囁いた。「マナーモードのまま。公証人の建物に入ったらすぐトイレを探して、個室に鍵をかけて、警察に電話して」

ソフィアは布地を胸に抱きしめた。「もし、本当に都心に連れていかれなかったら……?」

「連れていくしかない。証人の前で信託書類に署名させるための駒が必要なんだ。車に乗ってる間だけ、耐えて」

夜明けまでに、屋敷の重い鉄門が開いた。二階の窓から、アリスターの黒いロールスロイスが幹線道路へ出ていき、朝霧の中に消えるのを見送る。

私は鉄製の暖炉用火かき棒を掴み、階下へ向かった。

地下室へ続く通路は凍えるように冷たかった。アリスターの濃厚な花の香水でさえ、錆びた扉の下から漏れるホルマリンの鋭い薬品臭を覆い隠せない。

私は扉の前にしゃがみ込んだ。前の人生で見た設計図を思い出しながら、湿った石壁を指でなぞる。上から三段目のレンガ。でこぼこした縁を押し、機械仕掛けの解除部を探る。

携帯が震えた。

取り出す。

ソフィアの青い追跡点は幹線道路上にいなかった。私の位置と、ぴたり重なっている。

距離、およそ十メートル。

真下。

弱い電波の隙間を縫うように、遅延したメッセージがようやく届いた。送信時刻は十二分前。

「出ていない。暗いところに連れていかれた。逃げて」

十二分。

恐慌が、物理的な一撃のように私を殴った。私は扉の脇にある床の換気格子の隙間へ火かき棒を突き込み、全体重をかけて抉開ける。錆びたネジが悲鳴を上げ、石から弾け飛ぶ。

もう、逃げるも何もない。

格子を蹴り飛ばし、脚を暗い縦穴へ突っ込み、落ちた。

狭いシャフトを滑り落ちるたび、金属が肘の皮膚を削り取った。私は鉄格子の床に激しく叩きつけられる。

這うように立ち上がり、火かき棒を握りしめて、周囲を見回す。

ソフィアが部屋の中央に吊られていた。

大きな肉鉤が、彼女のドレスの厚い襟元を貫き、宙づりにしている。両膝の皿は砕け散り、残酷に裂けた骨がストッキングを突き破っていた。鎖に逆らってもがき、口を裂けんばかりに大きく開いたまま、声にならない叫びを上げている。

「いたのか」

ソフィアの真下の影から、アリスターが一歩踏み出した。ぱりっとしたドレスシャツの上に、分厚い革の屠殺人用エプロンを着けている。驚いた様子など、かけらもない。

それに――彼は誰かを腕に抱いていた。

裂けた絹のネグリジェをまとった女。手足には古い火傷痕と鞭打ちの傷が地図のように刻まれている。彼女はアリスターの胸へ身を縮め、顔を隠し、激しく震えていた。

アリスターは絡まった髪を撫で、頭頂に優しい口づけを落とす。ソフィアの血が彼のブーツのすぐ脇の白いタイルへ滴り落ちているのに、まるで見てもいない。

昨夜の悲鳴の主は、彼女だったのか?

女はゆっくりと顔をこちらへ向けた。

火かき棒が、手から滑りそうになる。

頬骨。鋭い顎の角度。恐怖に見開かれた淡い青の瞳。

彼の目だ。アリスターと同じ、刺すような青い目。

私は火かき棒を彼へ突きつけた。

「彼女は、誰?」

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