第208章

黒田白の手のひらは熱かった。火みたいに、じわりとこちらへ伝わってくる。

高橋桜が最初に感じたのは、温もりだった。

それから彼に言われて、ようやく気づく。さっきは焦っていて、薄着のままだったことにも目が向いていなかった。

「ねえ、黒田白。麻里奈が出ていったの。さっきも携帯にかけてみたけど、全然出ない。いま、よく分からなくて……電源を切って、私に邪魔されたくないのか、それとも――」

その先は口にしなかった。けれど黒田白には、言いたいことが分かったのだろう。

手足が冷え切っているのに、注意されても本人が自覚していない。黒田白は小さく息を吐いた。

「分かった。鈴木に電話して、こっちへ来さ...

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