第11章

クロエ視点

 セリーナは完全に正気を失っていた。狂ったような勢いで、彼女は恐ろしいほど速く動いている。

 私は身をひねり、ほとんど本能だけでかわした。だがセリーナはそれさえ読んでいた。宙で身体をねじり、全体重をこちらにぶつけるようにして、ナイフを振り下ろす。

 私は動けなくなった。

 ほんの一瞬、怖さすらなかった。ただ、ひどく疲れているだけだった。

 これで終わりなの、ロージー? ママ、あなたのところへ行っていい?

 私はそう思った。

 目を閉じた。

 けれど刃は、私の胸を貫かなかった。

 鋼が肉を裂く、吐き気がするような音がした。熱く湿った血が、頬に飛び散る。

 私はは...

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