第109章

目黒雲月が目黒邸へ戻ると、目黒母はリビングで婚約披露宴のメニュー表を手に、野呂奥様と相談しているところだった。

「雨芽さんは? 一緒じゃないの?」野呂奥様が雲月の背後を覗き込む。

雲月は露骨に気乗りしない顔でソファへ腰を落とし、こめかみを揉んだ。

目黒母が心配そうに身を乗り出す。

「どうしたの? 会社で何かあった? それとも雨芽ちゃんと喧嘩?」

「いや」雲月は淡々と答えた。「先に帰らせた。戻ってない? なら……勝手に買い物でもしてるんだろ」

そう言い捨てて立ち上がり、雲月は二階へ向かう。野呂雨芽がどこへ行ったのかなど、どうでもいいというように。

階段を上がっても自室には入らず、...

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