第129章

林田知音と木下実初は、公開されたばかりの恋愛映画を観に行った。

上映が終わり、二人の女は真っ赤に腫れた目――まるで金魚みたいな目をして劇場から出てくる。

「ヒロイン、ほんと可哀想すぎない? どうしてあんな目に……」

知音は自分を特別涙もろいとは思っていない。けれど今は、しゃくり上げるのを止められなかった。鼻をすすり、涙をぬぐいながら、情けないくらいの声で訴える。

実初も似たようなものだ。ただ、彼女の感情は悲しみより怒りに寄っていた。

「男が最低すぎるでしょ。可愛い子見たら欲しくなる、こっちが好きだとか言いながら外の女も切らない。あの子があんなに真剣なのに、裏でお見合いしてデートまで...

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