第13章

日野成謙は、うっすら赤くなった彼女の目元を見て、これ以上からかう気にはなれなかった。小さくため息をつき、そのまま車を走らせる。

結局、車はクラウドレストランの隣にあるマンションの下で止まった。

「私、上がらないから」

林田知音は日野成謙の助手席に座ったまま、子供みたいに意地を張っている。

日野成謙は助手席側へ回り込み、ドアを開けて身をかがめた。

「自分で降りて俺と上に行くか、それともここから抱いて連れて行かれるか。どっちがいい?」

「……あなた、何を!? ほんとに……」

林田知音は追い詰められて、どうしようもなくなった。悔しさまでこみ上げてきたが、次の瞬間、何かを決めたように日...

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