第140章

予選について、木下実初はそれほど気にしていなかった。予選のあいだ彼女はずっと客席に座り、同じ組の出場者たちの演奏も一通り耳にしている。結果が出るのは年明けだというのに、木下実初は林田知音なら大丈夫だと、根拠もなく信じられた。

あっという間に過ぎたこの一か月で、川市は身に沁みる寒さになっていた。ぶるっと震えるほどだ。

幼稚園の冬休みが始まるということは、正月が来るということでもある。

日野成謙のマンションに住み続けるのも、さすがにいつまでもというわけにはいかない。三上乃は川市の家の片づけを人に任せつつ、目黒らいを連れて海市へ戻っていった。

林田知音にとっては、そのほうが都合がいい。自分...

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